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台風なんて怖くない!屋上を守る最強防水工法!

 

これから迎える台風シーズン。強風や豪雨が続くこの時期に、不安になるのが「雨漏り」のリスクです。普段は気にならなくても、梅雨から秋にかけての長雨や激しい台風によって、屋上の防水機能が大きく試される季節となります。

実際、晴天が続く間は気づかない防水の劣化も、長雨が続けば一気に雨漏りとして表面化することがあります。小さなひび割れや接合部のわずかな不具合が、台風の激しい風雨によって深刻な被害へと発展するケースも少なくありません。

そこで今回は、台風に備えて見直したい「屋上防水」の基本と、よくあるトラブル事例、さらに防水を長持ちさせるための具体的な対策について解説します。

ご自宅や所有する建物の屋上防水が、今どのような状態か。一度この機会に点検・見直しを行い、台風による被害を未然に防ぎましょう。

 

台風被害は屋根だけじゃない?見落としがちな“屋上防水”

台風による被害というと、多くの人がまず思い浮かべるのは屋根材の飛散や割れ、窓ガラスの破損といった目に見える損傷でしょう。また、「台風に強い家」と聞くと、構造の頑丈さや屋根の耐久性に注目しがちです。

しかし、実際には屋根だけでなく、屋上の防水層も台風によって大きなダメージを受ける可能性がある重要な部分なのです。

特に、防水層が破損したり剥がれたりすると、その隙間から雨水が建物内部へと浸入し、室内での雨漏り被害に直結してしまいます。こうした被害は、目に見える破損よりも発見が遅れやすく、気付いたときには内装や構造材にまで影響が及んでいるケースも少なくありません。

そのため、定期的な点検や日頃のメンテナンスを行うことが非常に重要です。

そしてもう一つ大切なのが、そもそも「台風に強い防水工法」を選ぶこと。

雨風の激しい時期を前に、防水工法の見直しをすることは、台風被害を未然に防ぐ有効な手段となります。

 

実は要注意?戸建てよりも台風の影響を受けやすいマンション・ビル

「鉄筋コンクリート造のマンションやビルは頑丈だから台風にも安心」と考える方は少なくありません。しかし実際には、戸建て住宅以上に台風の影響を受けやすい側面もあるのです。

たとえば、旧建築基準法(平成12年改正前)では、建物にかかる風圧は以下のように算出されていました。

風圧(kg/㎡)= 60 × √H(建物の高さ)
※Hは16m以下の建物の場合

この式をもとに計算すると、2階程度の高さ(約5m)でも、1㎡あたり約135kgもの風圧がかかることになります。つまり、建物が高くなるほど風を受ける面積も広がり、それに比例して台風時に受ける負荷も大きくなるということです。

現在の建築基準法ではより詳細な数式が用いられていますが、基本的な考え方は同じで、高さのある建物は風の影響を強く受けることに変わりはありません

さらに、ビルが密集する都市部では、建物同士の隙間を風が吹き抜けることで“ビル風”が発生し、風圧がさらに強まることもあります

そのため、高層ビルはもちろん、中低層のマンションやビルであっても、風による被害に備えた防水対策や構造の補強が必要なのです。高さに関係なく、油断せず早めの点検と対策を心がけましょう。

 

台風時に注意すべき屋上防水のトラブルとは?

台風の接近・上陸時には、強風と大量の雨が建物に大きな負荷をかけます。中でも屋上防水は、建物の最上部で雨や風を直接受けるため、被害を受けやすい箇所のひとつです。

ここでは、台風によって発生しやすい屋上防水のトラブル例を3つご紹介します。

1. 設置物の転倒による防水層の損傷に注意

屋上にテレビアンテナや物干し台、ガーデンチェアなどを設置しているご家庭は多く見られますが、台風時にはこれらが強風で転倒・移動し、防水層にダメージを与えるリスクがあります。

地上では風が穏やかでも、屋上では風速が数段強まることもあるため、軽量の設置物は特に注意が必要です。

台風前には以下の対策を徹底しましょう。

  • 室内へ移動するのがベスト
  • 難しい場合は重しを置く、ワイヤーやロープで固定する
  • 風の影響を受けにくい塔屋の壁際にまとめて配置するのも効果的

また、設置物が飛ばされると、屋上の防水層だけでなく、隣接する建物や通行人への被害にもつながる可能性があります。

屋上に物を置く際は、設置方法と安全性を再確認して、強風による被害を未然に防ぎましょう。

 

2. 強風で防水材が剥がれるリスク

防水層が経年劣化していると、下地との密着力が低下し、風圧によって防水材がめくれたり剥がれたりする危険性があります。

台風の強い風が防水層の端部に吹き込むことで、防水材が浮き上がり、最終的には一気に剥がれてしまうケースも少なくありません。

防水層が剥がれると、コンクリートの下地がむき出しになり、そこから雨水が浸入して雨漏りの原因になるだけでなく、剥がれたシートや部材が飛散して近隣住宅へ被害を及ぼす恐れもあります。

そのため、台風シーズンや梅雨入り前には、防水材の端部や継ぎ目、シートの浮き上がりの有無などを丁寧にチェックすることが大切です。

少しでも異変を感じたら、早めに専門業者に相談し、補修や点検を受けるようにしましょう。

 

3. 排水口の詰まりによる水はけ不良

屋上の排水口(ドレン)まわりに落ち葉や土埃、ゴミが溜まってしまうと、雨水がスムーズに排水されず、屋上に水たまりができてしまいます

こうして溜まった水は、防水層の端部に長時間かかることで劣化を早め、脆くなった部分から雨水が建物内部に侵入する原因にもなります。

本来の防水性能を維持するためにも、排水まわりの定期的な清掃は不可欠です。特に台風シーズン前には、ドレンや排水溝に詰まりがないかを必ず確認しておきましょう。

加えて、落ち葉などの詰まりを予防するために「ドレンカバー」の設置も非常に有効です。

さらに、雨天時に屋上の平場に水たまりができていないかを目視でチェックすること、そして定期的に防水改修を実施することも、長期的に雨漏りを防ぐために重要なポイントです。

 

屋上緑化は「負圧」によるリスクに注意

最近では環境配慮や断熱性の向上などを目的に、屋上緑化を取り入れる建物が増えています。しかし、屋上緑化を施している場合には、台風による“負圧”の影響に十分な注意が必要です。

台風の強風が建物外壁に直角に吹き付けると、その風が建物の角や屋上のパラペット裏などで巻き込み、屋上に対して吸い上げるような圧力(負圧)を発生させることがあります。
この負圧が加わることで、防水層や緑化基盤ごと屋根から剥がされてしまう危険性があるのです。

特に、屋上緑化は建物の耐荷重に配慮して軽量化されていることが多いため、台風時に飛散しやすくなるリスクが高くなります。中木以上の大きな植物を植える場合には、転倒や飛散防止のためにフェンスなどへしっかり固定する対策が必要です。

また、強風が頻繁に吹く地域では、芝や地被植物、低木などの背丈の低い植物を選ぶと安心です

屋上緑化を行う際には、施工会社に「負圧への対策」が講じられているかどうかを事前に確認し、万が一の台風に備えた安全対策を万全に整えておきましょう

 

台風から屋上防水を守るために押さえておくべき3つのポイント

台風の被害から屋上を守るためには、ただ防水工事をしてあるだけでは不十分です。施工後の状態や日頃の管理状況によって、防水層の耐久性は大きく左右されます。以下の3つのポイントを意識して備えることが大切です。

1.定期点検とメンテナンスは台風対策の基本

防水層は経年劣化が進むと、台風時のような激しい雨や強風には耐えきれなくなるリスクが高まります。そのため、毎年梅雨入り前に専門業者による点検を受けることが大切です。

特に、最後のメンテナンスから年数が経過している場合は、事前に補修や防水改修の準備ができるよう、早めのスケジュールで点検を依頼しましょう。タイミングよく対応しておくことで、台風シーズン中の雨漏りトラブルを防ぐことにつながります。

 

2.飛ばされやすい物は事前に移動・しっかり固定を

屋上に設置しているテレビアンテナや植木鉢、テーブル・椅子などの軽量物は、強風によって転倒・飛散する恐れがあります。台風前には、必ず室内に移動させるか、フェンスなどしっかりと固定できる構造物に結びつけるなどして対策を取りましょう。

また、フェンスや金具が錆びていないか、緩んでいないかも事前にチェックすることが重要です。劣化している場合は、固定力が落ちているため、補強や修理もあわせて行っておくと安心です。

 

3.風に強い防水工法への見直しも検討を

屋上防水の工法によって、台風への耐性には差があります。ウレタン塗膜防水は、下地としっかり密着するため風による影響を受けにくいですが、耐用年数が短く、定期的な塗り替えが必要です。

一方で、アスファルト防水やシート防水は、経年劣化によって下地との接着力が落ちやすく、強風で浮いたり剥がれたりするリスクがあります。

そのため、風圧に強い防水工法への改修を検討することも大切です。また、こうした劣化の兆候を早期に発見するためには、定期的な点検を怠らないことが何よりも重要です。

 

台風に備えて屋上防水の確認を忘れずに

台風による被害は、屋根や窓だけにとどまりません。屋上防水の劣化も、雨漏りや資産価値の低下だけでなく、近隣への被害や重大事故につながるおそれがあります。

「ギリギリになってから考えればいい」と思っていると、被害が出てからでは手遅れになることも。特に高層建物や築年数の経過した建物は、台風の影響を強く受けやすいため、早めの点検と対策が重要です。

本格的な台風シーズンを迎える前に、今一度ご自宅や管理物件の屋上防水の状態を見直しましょう。状態に不安がある場合は、信頼できる専門業者への相談が安心です。定期点検や必要な補修を行うことで、台風への備えを万全にしておくことができます。