
蜂の巣を見つける方法や駆除までの過ごし方は?

春から秋にかけて活発に活動する蜂は、知らないうちに私たちの身近な場所に巣を作っていることがあります。庭先で見かける蜂の数が急に増えたと感じたら、どこかに巣がある可能性を疑ってみるべきかもしれません。
しかし、蜂の巣はどこにでも作られるわけではなく、ある程度“選ばれた”条件があるのです。
そこで今回は、蜂が好む巣作りの環境と、実際に蜂の巣を見つける方法、さらに駆除が終わるまでに私たちが安全に過ごすためのポイントについてご紹介します。
蜂が巣を作りやすい場所とは?
蜂は、巣の安全と仲間の繁栄を最優先に考えて行動するため、環境選びにも一定のルールがあります。
以下のような条件がそろう場所は、特に注意が必要です。
まず挙げられるのは、雨風が当たりにくい場所です。蜂の巣は湿気に弱いため、風や雨を直接受けない軒下や玄関の屋根下、カーポートの角などは格好の巣作りスポットとなります。特に、壁に囲まれたガレージや倉庫のような空間は、風による振動も少ないため、蜂にとってはとても居心地が良いのです。
直射日光の当たらない場所も狙われやすくなります。巣の内部が高温になると、幼虫や働き蜂に悪影響を及ぼすため、蜂は自然と日陰を選びます。特に夏場は、涼しく安定した温度が保たれる場所が好まれます。
また、屋根裏や床下、エアコンの室外機といった閉鎖的な空間も要注意です。外敵の侵入を防ぐと同時に、外気の変化から巣を守れるため、蜂にとっては安心できる場所となります。
そして最後に重要なのが、エサの確保がしやすい環境です。蜂のエサとなるのは、昆虫や花の蜜。庭に植木や生け垣、放置されたプランターなどがあると、蜂にとっては格好の狩場となるため、家の近くに巣を作られるリスクが高まります。
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- 雨風が当たらない場所(例:軒下、玄関先、カーポートなど)
- 屋根があり、湿気を避けられる構造になっている場所
- 壁に囲まれた空間(例:ガレージや倉庫)
- 強風による揺れや落下のリスクが低い場所
- 直射日光が当たらない、日陰になる場所
- 巣の内部が高温になりにくい環境
蜂の巣が見つからないときの探し方

蜂が頻繁に飛んでいるのに、どこを探しても巣が見当たらない。そんな状況に遭遇したことはありませんか?実は、蜂は私たちの想像を超えるような場所に巣を作ることがあり、目に見える場所だけを探していては見逃してしまうことも少なくありません。安全な対策を講じるためには、巣の位置を特定することが大切です。
蜂の行動から巣の場所を絞り込む
まず試していただきたいのが、蜂の飛び方を観察する方法です。蜂には巣から直線的に飛び立ち、エサを集めてからまた同じルートで巣へ戻るという習性があります。この特性を利用することで、巣の大まかな位置を推測することが可能です。
観察に適した時間帯は、蜂が活動を始める「朝」と、巣に戻ってくる「夕方」です。この時間帯に、蜂がどこから飛び立ち、どの方向に戻ってくるのかをじっくりと目で追ってみましょう。一定の場所から同じ方向に出入りしている様子が見られれば、その先に巣がある可能性が高くなります。
ただし、蜂の飛行ルートを追う際は、近づきすぎて刺激しないように注意してください。双眼鏡などを使い、距離をとって安全に観察することが大切です。
音から察知する
目視で巣が確認できない場合でも、耳を澄ませば蜂の存在を感じ取れることがあります。特に天井裏や壁の中など、目に見えない場所に巣が作られている場合、「ブーン」という羽音がかすかに聞こえてくることがあります。
このような音は、室内に蜂がいないのにどこからか聞こえる場合、建物内部に巣が存在しているサインかもしれません。天井板や壁際に耳を当ててみて、普段とは違う振動音や羽音がしないかを確認してみましょう。
蜂の巣は小さな隙間からでも作られるため、換気口、通気口、天井裏への配線スペースなど、思いがけないところに巣が隠れていることもあります。
屋外の植物まわりにも要注意
庭の草木や花壇に蜂が集まっているのを見かけた場合、その近くに巣がある可能性があります。特に、同じ場所に蜂が頻繁に来ているようなら、エサ場に近い位置に巣があると考えられます。
蜂のなかには、地上だけでなく地面の中や草むらに巣を作る種類もいます。たとえば、地中にトンネル状の巣を作る「ジバチ」や「ヒメハナバチ」といった種類は、地面のわずかな穴や根元付近に巣を潜ませています。
このような巣は、土の盛り上がりや周囲の草が不自然に枯れているといった小さなサインが手がかりになります。庭先で蜂がホバリングしている様子が見られたら、その下に巣があるかもしれないと疑ってみましょう。
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- 朝と夕方に蜂の飛行ルートを観察する
- 同じ方向へ出入りしている蜂がいないか確認する
- 双眼鏡などを使って距離をとりながら観察する
- 室内で「ブーン」という羽音が聞こえないか耳を澄ませる
- 天井板や壁際に耳を当てて、振動や音をチェックする
- 換気口、通気口、配線スペースなどを点検する
- 庭木や花壇に蜂が頻繁に来ていないか注意する
- 蜂が地面付近でホバリングしていないか観察する
- 草が不自然に枯れている場所や土の盛り上がりをチェックする
無理に探し出さず、専門家に相談を
蜂の巣を発見することは、被害やトラブルを未然に防ぐうえでとても重要です。しかし、自力での巣探しには限界があり、無理に近づくと刺されるリスクが伴います。
蜂の数が多い、音が大きくなっている、あるいは目視で確認できないが明らかに様子がおかしい場合などは、迷わず専門の駆除業者に相談することをおすすめします。プロの技術と知識で安全に調査・対処してもらえるため、安心して任せることができます。
また、自治体によっては蜂の巣駆除を一部負担してくれる制度もあるため、事前に地域の役所などに相談しておくと安心です。
蜂の巣駆除が終わるまでに気をつけたい、安全に過ごすための心得

蜂の巣を見つけたとき、多くの方がまず感じるのは「早くなんとかしたい」という不安だと思います。しかし、慌てて対処しようとすると、かえって危険な状況を招くことも。蜂の巣は自分で駆除しようとせず、必ず専門の駆除業者に依頼しましょう。そして、駆除が行われるまでの間は、刺されないための対策をしっかりと講じ、安全に過ごすことが何よりも大切です。
では、実際に駆除までの間、どのような点に注意して過ごせばよいのでしょうか?ここでは、蜂と無用なトラブルを起こさないための具体的なポイントをご紹介します。
巣に絶対に近づかないことが最優先
まず最も重要なのは、蜂の巣にむやみに近づかないことです。蜂は、自分たちの巣を守ろうとするときに特に攻撃的になります。とくに夏場から秋口にかけては、巣が大きくなり、働き蜂の数も増加する時期であるため、わずかな振動や物音、視覚的な刺激でも襲ってくる可能性があります。
好奇心で巣を見に行ったり、確認しようとカメラを向けたりする行為は絶対に避けましょう。また、子どもがうっかり近づいてしまわないように、家族全員で情報を共有し、危険な場所には近づかないようにすることも大切です。
家の中に蜂を入れない工夫を
蜂の巣が家の近くにある場合、室内への侵入にも注意が必要です。少しの隙間からでも蜂は入り込んでくるため、窓やドアはできるだけ閉めた状態を保ち、網戸にも破れがないかをチェックしておきましょう。
また、外で洗濯物を干す習慣がある家庭では、蜂の巣駆除が終わるまでは“室内干し”に切り替えるのが賢明です。蜂は柔らかい布の中に潜り込んだり、香りのする柔軟剤に引き寄せられたりすることがあります。そのまま取り込んだ洗濯物に蜂が付着していた場合、家の中で刺されるリスクが高まるため、室内干しは安全面でも非常に効果的です。
外出や屋外作業時の服装にも配慮を
どうしても外出しなければならない場合や、屋外での作業が避けられない場合は、身につける服装にも注意を払いましょう。蜂は黒っぽい色に反応しやすく、特に頭部などを狙ってくる傾向があります。そのため、黒や濃い色の衣服は避け、白やベージュなど明るい色を選ぶようにしてください。
また、肌の露出を避けるために、長袖・長ズボンの着用が基本です。袖口や足首もできるだけしっかりとカバーし、できれば帽子も着用すると安心です。香水や整髪料など香りの強いものも蜂を引き寄せてしまうため、この期間は使用を控えるのが無難です。
危険を感じたら無理をせず退避を
蜂が周囲を飛び回っているときや、威嚇行動(ジグザグに飛ぶ、羽音が大きくなるなど)を感じた場合は、無理をせずすぐにその場から離れるようにしましょう。手で払おうとすると逆に攻撃される可能性があるため、騒がず、静かに、かつ速やかに距離をとることが大切です。
- 蜂の巣には絶対に近づかない(確認・撮影もNG)
- 家族全員で危険な場所を共有しておく
- 窓やドアをしっかり閉め、網戸に破れがないか確認する
- 蜂の巣がある間は洗濯物を室内干しに切り替える
- 外出・屋外作業時は白や明るい服を選ぶ
- 肌の露出を避け、長袖・長ズボン・帽子を着用する
- 香水・柔軟剤・整髪料など香りの強いものは控える
- 威嚇行動や羽音が強まったら静かにその場を離れる
- 蜂を手で払ったり騒いだりしない
- 専門業者の駆除が完了するまでは慎重に行動する
正しい知識と落ち着いた行動で身を守る
蜂の巣が駆除されるまでの数日は、精神的にも落ち着かないものですが、焦らず、冷静に対応することが何よりの安全対策です。巣の場所に近づかないこと、家の中に蜂を入れないこと、外出時には服装に気をつけること。この3点をしっかり守るだけでも、刺されるリスクは大幅に減少します。
専門業者による駆除が完了すれば、また安心して日常生活を取り戻すことができます。それまでの間は、安全な距離と正しい知識を武器に、蜂との無用な接触を避けて過ごしていきましょう。